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富樫倫太郎【北条早雲】を読んでみた

はじめに

2022年になり、NHKの大河ドラマでは「鎌倉殿の13人」の放送が開始されましたね。

小栗旬さん主演。北条義時が逞しい将軍へと成長していく姿を追うことができそうで楽しみです。

 

脚本が三谷幸喜さんということで、実にコミカルです。

キャスト陣の一覧をみると、どう考えても笑わせにかかっているとしか思えない布陣で、真面目な演技をするのですから、また面白い。

 

個人的には、古田新太さんと佐藤次郎さんが大好きです。

2人揃って出演しているのを拝見できるのは嬉しすぎます。

 

 

おっと、大河ドラマの話だけでも、ひと記事かけてしまいそうです。

が、今回は鎌倉時代の北条ではなく、150年後の戦国時代に活躍した戦国北条家の初代である「北条早雲」のお話を読みました。

 

読書の趣味は人それぞれですが、私は時代物が好きです。

江戸、戦国、平安、時代は問いません。また、古代中国史もいいですね。

今回は、北条早雲の生き様を紹介したく記事にしました。

全5巻ですが、夢中で読んでしまいました。2017年出版ですので図書館で借りることができました。

北条早雲とは

まず、北条早雲ですが、「北条」と呼ばれるようになったのは、のちの代での話です。そもそもは、駿河に勢力を持っていた今川家の一家臣である、伊勢家という家柄の家長で、名前を「伊勢新九郎」と言いました。

 

戦国の世と言えば「下剋上」です。

伊勢新九郎は、駿河の東部、今の静岡県沼津市の周辺を領地として収めていました。

近隣には伊豆があり、そこを収めていた大名家を滅ぼして伊豆を手中に収めます。

 

その後は、小田原城の大森氏を攻め落とし、相模西部を支配下。

続けて、相模東部に勢力を広げていた三浦氏を滅ぼして相模(今の神奈川県)を支配下に置きます。

 

その後、家督を2代の氏綱に譲り、伊豆の韮山にて、その生涯を閉じます。

それ以降は、歴史の教科書に出てくる、強大な北条家として領地を拡大。秀吉の小田原攻めを受けるまで、関東随一の大名として名を馳せることになります。

今でこそ当たり前だが

私が、本書を読んでいて一番惹かれたのは、北条早雲の支配者として、人としてのあり方の謙虚さが並外れたものだったからです。

 

今でこそ、働くということは、自分という人的資本を最大限に生かして、社会のため、誰かのために貢献することだというのが美徳です。誰しもがそういう生き方をするのが豊かであると、声を上げる時代になったということです。

 

しかし、「食うか食われるか」「明日は我が身」というのが当たり前だった戦国時代では、「下々の者どもは搾取するためにある」というのは常識。大名は私服を肥やして贅沢三昧。

一方で農民は、税は七公三民、ひどいと八公二民が基本。明日も生きていられるか分からないほど、貧しい生活であったということ。

 

そんな中、早雲は自らの支配下では四公六民を実施し、自身も家来にも質素な生活を推奨しました。

税による目先の収入は少なくとも、農民の暮らしが豊かになることで幸福度が増し、活力が湧く。さらなる悔恨が進み、生産量が増える。それにより、税率は少なくても生産量の多さから、国庫は豊かになり、農民の暮らしもさらに良くなる。

 

そういった考え方をできた人だということです。

 

今でいう、経営の先行投資ができる人だったというわけです。

戦に強い猛々しいし武者というよりも、敏腕経営者という面が成功を呼び寄せていたのかもしれません。

 

結果として、先行投資・賢い経営戦略をした人物ではありますが、その根幹には「みんなが豊かであってほしい」という思いがそこにあったようです。それを、自らの力を実現させる姿を追っていくと、どの時代にも情熱というのは困難を乗り越えていく素晴らしい力であると感心させられました。

 

増税ばかり行うことが、政策だと思っている我が国の偉い人たちにも、長期の目線で国を豊かにしていく舵取りをしていただきたい者です。

ホント、先人に学ぶということには価値がありますね。

経験が人を成熟させる

早雲が利子私欲のためではなく、「みんなが豊かであってほしい」と願ったのには、貧困により、2度も妻子をなくしているのが根幹にあります。

 

学校の教科書では、いっさい描写として出てきませんが、平安時代の京都(京都平安京)はひどいものでした。応仁の乱などもあり、京都は廃れ、路頭に迷うものが京都中に溢れていたそうです。死を目の前にし、理性を失った人は我を忘れ、他人を食べざるを得ないということも大袈裟な表現ではなかったようです。

 

私たちの知っている平安時代といえば、豪華な屋敷の内側に、御殿があり、池、船、蹴鞠などをして優雅に過ごす貴族の姿を学習することが中心ですよね。ですが、平民の生き様に目を向けると、とても小学生の教科書などには書けないような悲惨な状況があったのです。

 

不満を持ち、なんとかしないとやってられない、と思う人間がいても不思議ではないですね。

 

早雲も、都でそういった人たちに炊き出しをし、1人でも多くの命が救われれば良いと願って行動を起こしていた1人でした。

 

今の時代、日本ではそこまで困窮に追われる生活をする方は少ないかもしれません。私自身、そんな経験をしたことがありませんが、我が子がもし、同じような状況になり餓えて死んでいくようなことがあればと思うと、涙が出そうになります。

 

そのような強烈な経験があるからこそ、早雲は死ぬ直前まで「みんなが豊かであってほしい」という揺るがぬ根幹を持っていたんですね。

エネルギッシュでパワフルで推進力を持った方というのは、それぞれ強烈なバックグラウンドを持っています。それは負の経験かもしれないし、正の経験かもしれないです。

自分を心から奮い立たせる経験ができているというのは、とても貴重であり、信念へと昇華させていくのと私は思います。

 

我が家のチビたちで言いますと、最近はやれ、「あれを買ってくれ」「これを買ってくれ」とせがむことが増えてきました。身の回りが情報に溢れているから当たり前です。もちろん、誕生日など、特別なイベントを理由にして年に何度か答えてあげるようにしています。

 

ですが、私はイチ親として、物を買って与えるのはあまり好きではありません。

(自分も子供の時には親にせがんでいましたが 笑 「親の心子知らず」ですね)

例えば、キャンンプへ行って五感を使って何かを感じ取ってほしいと思います。スポーツに精を出して、友達と何かを成し遂げる喜びを知ってほしいと思います。

 

時代に名を残すような偉人ほどとは言いませんが、人には無い、自分だけの豊かなバックグラウンドを蓄積して大人へと育っていってほしいと願っています。

行ってみたい寺

私の習慣として、本を読んでみて、そこに登場した地を訪れるというのが、密かな楽しみです。私は、神奈川県在住ですので、小田原や伊豆ですと日帰りでも足を伸ばすことができます。早雲の足跡を求めてみようと思っています。

 

小田原北条氏の菩提寺である「早雲寺」

www.hakone.or.jp

箱根をゆっくり歩いてみるのもいいかもしれません。

 

早雲は韮山城に居を構えることが長く「韮山様」と呼ばれていました。

kozanji.or.jp

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」とは、時代こそ違うものの、合わせて観光できるかもしれませんね。これからの時期は韮山でいちご狩りもできます。

一石二鳥です。

 

まとめ

今回は、恥ずかしながら読書感想文を書かせていただきました。

 

大変稚拙な文ではありましたが、文章を通じて先人の生き様を学ぶというものは大変良いものだと伝わったでしょうか。

 

冨樫倫太郎さんは「北条早雲」に始まり「軍配者シリーズ」など、多数執筆されています。

文体も読みやすく、読み返さないと内容が理解できないなんてことはありませんでした。

まだまだ自粛ムードが漂っています。

リンクを貼っておきますが、図書館なら無料で借りれますので、利用してみてください。

信玄の軍配者(上) (中公文庫)

信玄の軍配者(下) (中公文庫)

謙信の軍配者(上) (中公文庫)

謙信の軍配者(下) (中公文庫)

早雲の軍配者(上) (中公文庫)

早雲の軍配者(下) (中公文庫)

ではまた

 

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